ひえんきゃく

決戦の時は来た。

入場してくる両チームの面々。

フェニックスチームの内の一人はフードを目深に被っていて顔が見れない。

「あれ、一体誰なんだろう……」

「気にする事はありません」

「最後に勝つのは私達ですから相手が誰だろうと同じです」

「びくとりー」

ビッグボディチームの先鋒は保科優希。

「がんばりますぅ」

そしてフェニックスチームの先鋒はザ・ミステリアン。

彼女が被っていたフードを脱ぎ捨て、その正体を現すと会場は驚きに包まれた。

「フッフッフッフッフ」

ダークスターカオス、闇からの暗殺者、混沌なる悪の華、等の異名を持つ、世界でも

トップクラスの選手である。

「うっわー、よくカオスを連れて来れたね」

「ねえねえレイちゃん。どうやってカオスを誘ったの？」

「ん？そんなの簡単よ」

「日本で夏と冬にやっているお祭りの招待するって言ったら、喜んで引き受けてくれたわ」

「えー！それって……」

「そのお祭りがどんな物か、カオスは知ってるの？」

「もちろんよ。楽しみだって言ってたわよ」

「へ、へー。そうなんだ」

「……何考えているのか、よく分かんない人だね」

勝者、ダークスターカオス！

三人が喋っている間に、カオスが保科を破り一勝目を上げていた。

「フッ、やっぱり私の目に狂いはなかったわね」

「そりゃ、カオスだし」

「カオスだもんね」

観客の声援に応えているカオス。

「この勝機、見逃す訳にはいきません！」

「次鋒、杉浦いきます！！」

ゴング前に奇襲を仕掛ける杉浦。と、同時にゴングが鳴り響く。

振り返るカオス。

そして振り返った際に、カオスの肘が今にも組み付こうとしていた杉浦にＨＩＴする！

そのまま倒れこむ杉浦。

何ともいえない空気が会場を漂う。

気絶し、起き上がってこない杉浦美月。

勝者、ダークスターカオス！

試合時間僅か８行！

その後もカオスは、中堅のノエル白石をハイメガボムで粉砕！

副将の相羽和希とはラリアットの応酬で引き分けに終わったものの

次鋒の伊達遥が、ビッグボディチーム大将のボンバー来島を破り、

フェニックスチームの勝利が確定した。

「どう？これが私達の実力よ！」

「私達３人とも闘っていないよ？」

「ちょっとセコイ気がする……」

「フェニックスチームなんだからセコくなってもいいじゃない」

「勝ちは勝ちなんだから！」

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