迷軍師美月が行く!
藤原和美 vs ガルム小鳥遊の一戦を控えた藤原和美の控え室。
「……という訳です」
「こ、これは何という必殺技!」
「この試合……勝てるぞ!」
「もちろんです。勝利は私達の物です」
対戦相手のガルム小鳥遊はフリーの三大ヒールと呼ばれる人物の一人であり、かなりの
ベテラン選手でありながらも、未だにトップクラスの実力を誇る強敵である。
その強敵に勝利の為の必殺技を考え出したのが、”ファイティングコンピューター”杉浦美月。
「私の策は完璧です!」
プロレス界の呉学人、”智多星”美月とも呼ばれる杉浦が授けた必殺技とは?
「おらあっ!」
「っ!つ、強い、だけど正義は負けません!」
ガルム小鳥遊相手に苦戦する藤原和美。
「藤原先輩、今です!」
「!?よし、例の物を!」
「これを!」
杉浦から渡された物を受け取り装備する藤原和美。
その瞬間観客席がざわめく。
”正義の味方”藤原和美がまさかの凶器攻撃?
しかし藤原の姿を見て今度は戸惑いに変わる。
藤原が杉浦から渡され身に付けたのはオープンフィンガーグローブ。
「ああん?」
コーナーポストに駆け上がる藤原和美、そして両手を掲げる!
「オープンフィンガーグローブを二つ装備する事で戦闘力は2倍!」
「それにいつもの倍のジャンプで更に倍!」
「それにいつもの3倍の回転を加えれば、全ての敵を打ち倒す無敵の矢となる!」
コーナーからのきりもみ式のミサイルキックを放つ藤原。
「うおおおおお!」
「くっ」
ミサイルキックを受け吹き飛ぶ小鳥遊。
しかし倒れずに堪える。
「ふんっ、今度はこっちの番だ!」
そして藤原に向かって突進する。
「うおりゃあ」
ガルム小鳥遊の必殺技、ガルムズディナー!
「ぐはっ」
吹き飛びダウンする藤原。
小鳥遊はダウンした藤原を起こしロープに振る!そして再びガルムズディナー!
二発、三発と繰り返た後、今度はコーナーに振ると串刺すように止めのガルムズディナー!
崩れ落ちる藤原。
ダウンした藤原の肩に足を乗せレフリーに目をやる。
そしてカウントが始まる。
1!、2!、……3!
ガルム小鳥遊の勝利!
「……何の為にオープンフィンガーグローブを身に着けたんだ?」
呟く小鳥遊。
「しまった、何て大事な事を見落として……」
場面は再び控え室。
「正義が、正義が負けるなんて……、必殺技も出したのに……」
悔しがる藤原。
「すみません、私としたことが大事な事を見落としていました」
「大事な事?」
「はい。藤原先輩は普段、オープンフィンガーグローブを身に着けていません」
「つまり0(ゼロ)ということです」
「0には何を掛けても0になってしまいます」
「×2×2×3も基本値が0の為、威力が増さないのです」
「な、なんだって!」
「いや、そもそもオープンフィンガーグローブを二つ身に着けたからといって
2倍の威力というのがおかしいんじゃ……」
「+2というのならともかく」
「それにキックを放つのに何でグローブを身に付けるのさ」
そんな相羽の呟きは藤原と杉浦に届かない。
「……ノリと勢い?」
「それに元々この技を使ったウォーズマンは残虐超人出身のダークヒーローでもあります」
「完全無欠な正義のヒーローである藤原先輩とは相性が悪かったのかもしれません」
「言い換えれば藤原先輩の正義力がそれだけ大きかったということです!」
「正義の力が強すぎたから……、つまりこれは私の正義が証明されたって事!?」
「正義のヒーローが悪に負けるのはパワーアップフラグ!」
「次は…勝つ!」
「いや思いっきり誤魔化され丸め込まれてるよ、藤原先輩」
「……突っ込まない。それにそんな風に突っ込むのはキャラが違う」
「そ、そんなぁ」




対戦相手のガルム小鳥遊はフリーの三大ヒールと呼ばれる人物の一人であり、かなりの
ベテラン選手でありながらも、未だにトップクラスの実力を誇る強敵である。
その強敵に勝利の為の必殺技を考え出したのが、”ファイティングコンピューター”杉浦美月。

プロレス界の呉学人、”智多星”美月とも呼ばれる杉浦が授けた必殺技とは?


ガルム小鳥遊相手に苦戦する藤原和美。



杉浦から渡された物を受け取り装備する藤原和美。
その瞬間観客席がざわめく。
”正義の味方”藤原和美がまさかの凶器攻撃?
しかし藤原の姿を見て今度は戸惑いに変わる。
藤原が杉浦から渡され身に付けたのはオープンフィンガーグローブ。

コーナーポストに駆け上がる藤原和美、そして両手を掲げる!



コーナーからのきりもみ式のミサイルキックを放つ藤原。


ミサイルキックを受け吹き飛ぶ小鳥遊。
しかし倒れずに堪える。

そして藤原に向かって突進する。

ガルム小鳥遊の必殺技、ガルムズディナー!

吹き飛びダウンする藤原。
小鳥遊はダウンした藤原を起こしロープに振る!そして再びガルムズディナー!
二発、三発と繰り返た後、今度はコーナーに振ると串刺すように止めのガルムズディナー!
崩れ落ちる藤原。
ダウンした藤原の肩に足を乗せレフリーに目をやる。
そしてカウントが始まる。
1!、2!、……3!
ガルム小鳥遊の勝利!

呟く小鳥遊。

場面は再び控え室。

悔しがる藤原。








2倍の威力というのがおかしいんじゃ……」


そんな相羽の呟きは藤原と杉浦に届かない。










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