安徳天皇漂海記 感想
壇ノ浦の合戦で入水した安徳天皇。
伝説の幼帝が、鎌倉の若き詩人王、源実朝の前に、神器とともにその姿を現した。
空前の反映を誇る大元帝国の都で、巡遣使マルコ・ポーロは、ジパングの驚くべき物語を
クビライに語り始める。
時を超え、海を越えて紡がれる幻想の叙事詩。第19回山本周五郎賞受賞作。
伝説の幼帝が、鎌倉の若き詩人王、源実朝の前に、神器とともにその姿を現した。
空前の反映を誇る大元帝国の都で、巡遣使マルコ・ポーロは、ジパングの驚くべき物語を
クビライに語り始める。
時を超え、海を越えて紡がれる幻想の叙事詩。第19回山本周五郎賞受賞作。
![]() | 安徳天皇漂海記 (中公文庫) (2009/01) 宇月原 晴明 商品詳細を見る |
安徳天皇とは平家物語でお馴染みの壇ノ浦の戦いで海へと身を投げることになった
あの幼帝のこと。
海に沈んだ安徳天皇の体は、第四の神器によって琥珀の球のなかで誰にも傷つけられる
ことなく封印され眠り続けていた、というのがこのお話の基本部分。
この作品は二部構成になっていて、第一部は源実朝、第二部はマルコ・ポーロを主人公とした
物語になっています。
個人的には第二部のマルコ・ポーロ編の方が好きですね。
第一部・第二部共自ら動くことの出来ない安徳天皇の行く先を描いていますが、二部構成で
主役どころか文体まで変わっています。
日本、元、南宋と渡らせて行って、最後はまさか黄金の国ジパングとは。
これはしてやられたという感じ。
南宋最後の少年皇帝と絡めてきたというのも見事としか言う事ないです。
作者の宇月原晴明さんのセンスには脱帽です。
血湧き肉踊る面白さではなく、読み終わるまで息が詰まるような、そんな緊張感にあふれる
叙情的な一作でした。
最後にいけばいくほど加速度的に面白くなっていく作品です。
伝奇好きな方には是非ともお勧めしたい作品ですね。
宇月原作品の中では、この『安徳天皇漂海記』が1番読みやすいと思うので、こちらの作品から
読むのをお勧めします。
その後で、『聚楽―太閤の錬金窟』や『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』を
読んでいくのがいいかと思います。
宇月原晴明さんはお勧めの作家さんなので気が向いた方は是非ご一読を!
あの幼帝のこと。
海に沈んだ安徳天皇の体は、第四の神器によって琥珀の球のなかで誰にも傷つけられる
ことなく封印され眠り続けていた、というのがこのお話の基本部分。
この作品は二部構成になっていて、第一部は源実朝、第二部はマルコ・ポーロを主人公とした
物語になっています。
個人的には第二部のマルコ・ポーロ編の方が好きですね。
第一部・第二部共自ら動くことの出来ない安徳天皇の行く先を描いていますが、二部構成で
主役どころか文体まで変わっています。
日本、元、南宋と渡らせて行って、最後はまさか黄金の国ジパングとは。
これはしてやられたという感じ。
南宋最後の少年皇帝と絡めてきたというのも見事としか言う事ないです。
作者の宇月原晴明さんのセンスには脱帽です。
血湧き肉踊る面白さではなく、読み終わるまで息が詰まるような、そんな緊張感にあふれる
叙情的な一作でした。
最後にいけばいくほど加速度的に面白くなっていく作品です。
伝奇好きな方には是非ともお勧めしたい作品ですね。
宇月原作品の中では、この『安徳天皇漂海記』が1番読みやすいと思うので、こちらの作品から
読むのをお勧めします。
その後で、『聚楽―太閤の錬金窟』や『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』を
読んでいくのがいいかと思います。
宇月原晴明さんはお勧めの作家さんなので気が向いた方は是非ご一読を!
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