
「さて、そろそろお暇するとしようか」

「おや、お帰りになられるのですか」

「こんな夜遅くに女性が出歩くのは感心しませんな。泊まっていかれてはどうですかな」

「爺、余計なことは言わなくてよろしい!」

「大丈夫、大丈夫。たとえ襲ってくるヤツがいたとしても返り討ちにしてやるさ」

「しかし万が一ということもあります」

「お嬢様、ここは一つ度量の大きいところをお見せして泊めてさしあげるのがよいかと」

「ふむ……。爺がそこまで言うのなら仕方ありませんね」

「皆様泊めてさしあげてもよろしくってよ」

「この市ヶ谷麗華の度量の大きさに感謝なさい」

「まあ、そこの筋肉ゴリラお襲う物好きがいるとは思いませんがね」

「おーっほっほっほ」

「何だとコラッ!喧嘩売ってんのか!?」

「事実を言ったまでですわ」

「まぁまぁ来島さんも落ち着いて下さい」

「でも急に泊まる事になって大丈夫なんですか。それもこの人数が」

「おーっほっほっほ。それは余計な心配というもの。爺!」

「かしこまりました。直ちに用意を致します」

「これだけの人数が急に泊まることになっても平気とは…。流石は市ヶ谷財閥」

「ねえねえ、ゲームはどこにあるの?ゲーム!」

「うっわー。凄い衣装の数。どれから着てみようかな」

「この彫像にジャーマンしてもいいのかな」

「このお酒…、おいしそう…」

「ちょっ、あなた達。何をしてらっしゃるの!」

「みんな無茶苦茶してる。止めないと…、あれ?来島さんは?」

「くぅ、WBCは韓国に負けちまったか」

「まぁ、この前の大勝はちょっとありえねぇ展開だったからな」

(でもこれで次の対戦相手はキューバになりそうで心配ですよね)

「あぁ、そうだな。ってなんで結城の声が聞こえたんだ!?」

「あなた達。いい加減になさい

」

「あの市ヶ谷が振り回されているとは…」

「さすがにこれだけの人数が無茶苦茶するとこうなるのか」

「それに自宅で暴れられているというのもあるんじゃないかと…」

「このまま放っておいていいのですか」

「お嬢様も楽しそうですしこのままでも大丈夫かと」

「楽しそう…ですか」

「しかし明日の駅伝に備えてそろそろ休まないとな」

「おい、お前達。いい加減その辺にしておくんだ!」
こうしてバカ騒ぎをしながら夜は更けていく。
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